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国保中央病院より リンパ浮腫への対応

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奈良県 三宅町

乳がんや婦人科がんの手術後、放射線治療後、抗がん剤治療後に、乳がんでは腕、婦人科がんでは足にむくみが生じることがあり、そのむくみは「リンパ浮腫」と言われています。
リンパ浮腫は、手術でリンパ節が取り除かれると、リンバ液の流れが滞り逆流することで生じます。水の流れが行き場を失い溢れ出ることをイメージしていただけると分かりやすいと思います。手術後すぐむくみが生じる方もいれば、10年以上経ってから生じる方もおられ、発症時期には個人差があります。
リンパ浮腫を発症した場合、保存的治療として複合的治療を行います。
複合的治療とは、次のことを言います。

(1)圧迫療法
むくんだ四肢を包帯などで圧迫し、リンパ液がたまるのを防ぎます。
(2)スキンケア
皮膚を清潔にして保湿し、皮膚を傷つけないようにします。
(3)圧迫した状態での運動療法
圧迫療法をした状態で四肢を動かし、筋肉の収縮作用でリンパ液の流れを促進します。
(4)用手的リンパドレナージ
むくみの改善を目的とした医療用のマッサージです。
(5)日常生活指導(セルフケア指導)
次のような指導を行います。
・手術した腕や足を見たり触ったりすることで、むくみの早期発見を心掛けます。
・腕や足への衣類の食い込みに気を付けます。
・体重の変化に気を付けます。
・むくみを感じた腕や足は就寝時にクッションなどで少し高くして休みます。

複合的治療は、専門的な知識や技術を持っている医療従事者に指導を受けて下さい。リンパ浮腫対応の認定資格として、リンパ浮腫療法士等があります。リンパ浮腫療法士の在籍施設はホームページで確認することができ、当院にも在籍しています。
一度生じたリンパ浮腫の完治は難しいと言われていますので、悪化しないように注意することが大切です。

理学療法士 溝畑日出昌

問合せ:国保中央病院
【電話】0744-32-8800

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